木材不足で住宅業界はパニック |注文住宅を作っているLIFUNのブログ

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株式会社 熊澤建築事務所

美濃加茂市の注文住宅の外観
構造材不足
木造住宅を作りたい人に、林業の実態を知ってほしい。

ウッドショック!どうなる日本の木造住宅。

アメリカや中国の住宅業界が好景気のため、日本に輸入される木材がストップ(減っている)していることは、御存じかと思います。
米松やホワイトウッドのような外国産の材料を、メインとして使っていた工務店さんやビルダーさんが、外国産の材料の代わりに国産材に仕様変更したため、木材不足になっていて、これをウッドショックと業界では、呼んでいます。

この記事を読んでいる人になかには、すでに契約済で、木材の仕様変更を余儀なくされた方や、完成時期が遅れる人もいるかもしれません。
まだ、契約前で木材の価格が高騰して契約を迷っている、もしくは延期しているような方もいるかもしれません。
もしかしたら、同業者の人も見ているかもしれません。

そして今後、住宅に使われる木材が、価格を含めてどうなるのか?
個人的な見解ですが、お伝えしようと思います。

森林組合・製材屋さん直接聞いてみた。

まず弊社の事ですが、山に囲まれた岐阜県の山奥にあります。
近所には、森林組合さんや、数十社の製材屋さんがあります。 「ド」が付く田舎です。(笑)

だから、隣近所の御主人さんが、木材のお仕事をしていることが珍しくない地域です。

【森林組合さんのお話】
山で木は伐採しているとのこと。
ただ、伐採したからと言ってすぐには木材にはならないと・・・

*乾燥したり製材したりと、皆さんのお手元に届くには時間がかかると言うことです。

【製材屋さんのお話】
不足しているのは、米松やホワイトウッドに代わる国産の材料とのこと

*米松は、主に建物の梁に使われます。横架材ですね。
*ホワイトウッドは、集成の柱や間柱に使われることが多いです。

だから、米松の梁の代わりに、杉の梁が不足し、ホワイトウッドで使う、柱材の代わりに、杉やヒノキの柱や間柱が圧倒的に品不足だとか。

家一軒に使う木材の種類って、多種多様で適材適所が必要です。その一部分が不足するだけでも完成しないのが木造住宅です。

ウッドショック、いつまで続くの?

木造住宅の作り手の工務店やビルダーさんは勿論ですが、実際に家を建てようとしている人も、今後がどうなるのかってとても気になりますよね?

 【私が考える今後の見通し】を少しだけ・・・

このウッドショックが落ち着く条件は、2つと考えています。
ひとつ目は、中国やアメリカの住宅業界の景気が落ち着くこと。
ふたつ目は、国産材の生産量(自給率)が増えること。
このどちらかが解決しないと、続くと思います。

中国やアメリカの住宅業界が落ち着くのって、本当のところ誰もわかりません。
もし、高騰したままの価格で取引が続くようなら、世界的に木材の価格が、元の価格に戻ることはないと思っています。
多少は、下がるかもしれませんが、ウッドショック以前のような価格で入手することは、限りなくゼロ日化のではないかと考えています。

また、国産材の生産量が多くなれば解決すると思いますが、こちらはこちらで色々な問題があります。
住宅で使う木材は、乾燥材になります。原木がいくらあっても、乾燥能力が一気に増えると言うことができないのです。
なぜなら、乾燥機の設備を導入するコストと、乾燥機自体を作る数が、一気に増えると言うことが考えづらいからです。
設備投資をするにも数千万円かかります。そして何より、国産材を生産するための人材が不足していると言うことも言えます。
量産するためには、絶対に欠かせない人の手が必要ですが、その担い手が高齢化しているのです。
人の代わりに機械化を進めたとしても、現実的には時間がかかりすぎると思います。

それらを総合的に考えて、おそらく長期化すると思います。
少なくとも2.3年続くのではないかと思っています。

製材屋さんについて知ってほしい!

製材屋さんって、柱や梁間柱など住宅に使う木材を作るところなんですが、製材屋さんの事について少し知ってもらいたいと思います。 

製材屋さんが3社あったとします。仮にA社B社C社とします。
A社は、柱を主に製材します。
B社は、梁を主に製材します。
C社は、間柱や垂木を製材します。
勘の言い方ならお分かりかと思いますが、住宅に使う様々な寸法の木材は、様々な製材屋さんが挽いた木材を集めて作ります。
しかも、A社の柱の場合、105角を作る製材屋さん、120角を作る製材屋さん、そして管柱、通し柱、桧、杉など分類していきます。
柱を作る製材屋さんでも、杉の柱が無かったり、105角の柱は生産していなかったりします。

だから、ホワイトウッドなどの外国産の材料の代わりに、杉の間柱や胴縁や野竿と言われる小径木材が不足しています。
5月時点では、桧のような価格が少し高い材料にも影響が出てきて、品不足気味になっています。

高騰しているから製材屋さんが儲かっているかと言うと、それはまた別問題で、今までが安くて何とか凌いでいたような状況だったので、少し経営者さんたちはホッとしているのが本音かと思います。

林業について知ってほしい!

山の木って、手入れする時も、伐りだす時も、補助金が出ていることを御存じですか?
昭和の時代は、山の木を伐りだして生活が成り立っていた時代もあったと聞いています。

今は伐りだしても、手元に少しでも残れば・・・と言う時代。
そんな時代だから、山の木を持っている人でも、手入れをするため(間伐)以外で木を伐りださなくなっているのが現実です。

植樹して、下刈りをし、枝打ちをして何十年と手を入れて育てた樹木がただ同然のような金額なのです。
その現実を、知ってほしいと思います。
補助金が入っていてもこの現実。山で働く人も、重労働の割に給料は安いのです。

皆さんはこの現実をどのように思うのでしょうか?

少し重い話になりましたが、家を作る時、予算の関係で外国の材料かもしれません。国産材を使わないかもしれません。
それは、それで仕方のない事。ただ、山の現実を知ってもらいと思っています。

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